独立サバイバル

安定職を辞めて独立したとある夫婦のつぶやきブログ

殺傷事件を受けて…私のいた学校の防犯の話

とろです。

 

昨日とてもとても痛ましい事件が起きてしまいました…

 

川崎市登戸駅近くで殺傷事件…。

 

まずは亡くなられた方のご冥福をお祈りします。遺族の方のお気持ちを思うと、心が締め付けられる思いです…

 

 

さて、そんなこともあって、タイムリーな話題ということで学校現場の防犯体制について。書いていきます。本当は別な話題を書こうと思っていたのですが書きたくなったので。あくまで私のいた学校の話です。だから、こんな学校あるの?うちは違うよって方も、うちの学校にそっくり!という学校もあると思います。その辺も踏まえてお読みください。

 

 

 

 

立派な防犯対策マニュアルはある→果たして実施できているか

 

私は教員時代に学校防犯の主任を任されたのですが…任された時、私は教員になって2年目。2年目でもまわってくるのかと驚きました。

 

ごめんなさい…正直まだまだ自分のことや学級のことに手一杯の若輩者です。しかも、これは結構な公立学校のあるあるだと思うんですが、防犯主任になることがわかった時には、前任者は転勤でもう残っておらず直接の引き継ぎというものがなされなかったのです。

防犯についてのファイルは引き継いだので、それを読む日々。でも、そこに挟まれていない情報、過去にどんな対策をしたのかなどは知ることができません。

 

よく覚えているのは、主任になった時に催涙スプレーを点検した時のこと。

 

催涙スプレーを各クラスに配置する

 

と書いてあったので、新年度に配る前に点検していたんです。そして、ふと使用期限なる文字を発見。そしたら、なんと3年ほど期限が切れていたのです…(-.-;)

 

急いで注文しましたが、新学期当初には間に合わなかったので、届くまで期限切れのスプレーを配るしかありませんでした…。

 

催涙スプレーを年度始めに配ることは引き継ぎされていても、使用期限の点検までは仕事に入っておらず、配って満足という状況が続いていたのでしょうね…。

 

 

マニュアルは作って満足、終了

 

パラパラと引き継いだ防犯主任ファイルを見ていたら、すごーく長いマニュアルを発見!

うちの学校に不審者が入ってきた時の対策が事細かに書いてあるではないですか!

 

すごい!これだけ決まっていれば無敵じゃん!( ・∇・)

 

と思った後、ふと気づく…

 

 

あれ?

私この学校2年目なのにこのマニュアル全く知らないぞ?:(;゙゚'ω゚'):

 

 

マニュアルの内容を一部抜粋するとすれば…

 

校内に不審者が入ってきたと思われた時、

・放送でテンポの速い校歌を流す

・放送で、「橋本様(不審者の隠語)がお越しです。教頭先生は至急職員室へお願いします。」とアナウンスを流す

→うちの学校は近くに大きな橋があるのが特徴で、橋本というのはそこからとっていたみたい。不審者の隠語として橋本様を使うということですね。

・アナウンスが流れたら、各担任と児童は教室へ入り、安否確認を行って待機する

 

・・・私たちはマニュアルを知らないのです。

 

「橋本様」とか言われても、不審者のことだとは分からないから教室に入ったり安全確認場所へ赴く先生はまずいないでしょう。

 

おそらく、2001年に起きた附属池田小事件の影響があってその後に立派なマニュアルを作ったと思われます。ただ、共有まで至っていないということはマニュアルは機能していませんでした。

 

私には心残りがあります。

それは、このマニュアルを発見した時に「これの通りに訓練してみたほうがいいんじゃないか」と思ったものの、実現できなかったことです。せめて…ということで職員会で読み合わせはしましたが。(みなさん、え?橋本様って放送されたら不審者って意味だったんだ…!という反応でした)

 

ベテラン先生がボソッと言ったんですよ、「これ以上、大変なものは増やさないでほしいわ。訓練って結局2時間くらいつぶれるから教科学習が進まない…!」

 

この先生だけでなく、そのような雰囲気があった気がします。教育現場は今疲弊してますから一概に先生たちを責めることはできません!ですが、やはりどんなに怖い事件を防ぎたいと分かっていても恐ろしい目に合わないと後回しにしてしまうのが人間の性なのかもしれません・・・。目の前の膨大な教科指導の方が気になりますから。

 

 

維持していくことが大切。点検をしていけたらいいな

 

こんな悲しい事件が起きなければ動き出さない、というのは問題だとは思いますが、動き出すなら早い方が良いですよね。もし、私が経験したことと同じような防犯体制の学校があるとしたら早急に防犯対策を考えて維持していけるような仕組みを作っていけるといいなと思います。

 

※今回の事件を経て改めて防犯について考えただけで、事件の小学校さん、子どもたちに非があったとは全く思いません。すべては犯人が悪いに決まっています。